27歳で

新卒で入った広告代理店の同期の友人の実家に、初めて電話をしました。新人のとき、毎日のように会社帰りに二人で飲んで広告のことを語り合った。コピーライターだった彼は27歳で自ら命を絶った。たぶん、出ないだろうな、と思いながらの電話でした。コールがしばらく続いて、そろそろ切ろうかと思ったそのとき。「はい」すこしぶっきらぼうな感じでしたが男性の声。「もしもし、私わたくし、M君のN社の同期のHといいます」「はい」たぶん警戒しているのだろう。「電話に出ていただいてありがとうございます。わたくし、ずっとお電話をしたいと思っていたのですが、ずっとできなくて…」