泣くね。

ローカル線を実家にしてしまえ。実家は、ちょっと面倒くさい。自分のルーツの通過点が実家にはある。ある時期、実家にはよりつかなくなる。

父がいて、母がいて。もしかしたら、おじいちゃんがいて、おばあちゃんがいて。近すぎる関係がわずらわしく感じてしまう。距離をとりたくなる。きらいなわけじゃない。でも、うとましい。電話をすればいいのに、しない。忙しかったと、自分にもいいわけする。電話をかけられないほど忙しいことなんて、この世にはない。

しかし、実家は、年をとる。年老いる。切なさがこみあげてくる。泣きそうになる。いや、泣く。ぜったいに、泣くね。抱きしめたくなる気持ち。顔を見せに、顔を見に。実家ってそうだ。ローカル線は、実家の父であり、母である。行かないわけにはいかない。自分が行かないなったら、消えてしまう。だから行く。ローカル線も、そうだ。